- 水処理施設管理
- 環境分析
製造を止めないための「検鏡検査」のご提案
排水処理の心臓部である「活性汚泥」を顕微鏡で観察
「pHやBODの数値は基準内なのに、処理水が濁って見える」
「沈殿槽で汚泥が浮上してしまい、流出が心配だ」
食品工場の排水管理において、このようなお悩みはありませんか?
実はそれ、排水を浄化してくれる微生物からのSOSかもしれません。
弊社では、従来の化学的な水質分析に加え、顕微鏡で微生物の状態を直接確認する「検鏡検査」の導入を推奨しています。
検鏡検査とは? 排水処理設備の「視診」です
検鏡検査とは
検鏡検査とは、排水処理の心臓部である「活性汚泥」を顕微鏡で観察し、そこに生息する微生物の種類や状態を調べる検査です。
食品工場の排水は、季節ごとの生産品目の変化や洗浄工程による負荷変動が大きく、微生物にとって非常に過酷な環境になりがちです。検鏡検査は、いわば「排水処理設備の健康診断」です。
BODやCODといった化学的な数値だけではなく、実際に微生物の顔色を見る「視診」を行うことで、より立体的に処理状況を把握できます。
【比較】検鏡写真で見る汚泥の状態
微生物を確認し、汚泥の状態をチェック!
| ▼良好な汚泥
(処理が安定している状態) |
▼不調な汚泥
(トラブルの予兆がある状態) |
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| 【解説】
汚泥の塊(フロック)が大きく成長し、隙間の水も澄んでいます。ツリガネムシ等の原生動物が活発に動いており、生物処理が機能している証拠です。 |
【解説】
糸状性細菌が異常増殖し、汚泥が沈まない『バルキング』の初期段階です。この状態を放置すると、処理水とともに汚泥が流出し、基準超過のリスクが高まります。 |
食品工場が「検鏡検査」を行うべき3つの理由
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トラブルの予兆(バルキング等)を早期発見できる
食品工場で最も恐ろしい排水トラブルの一つが「バルキング(汚泥膨化)」です。糖類や炭水化物が多い排水では、糸状性細菌が異常増殖しやすくなります。
検鏡検査では、沈降不良が起きる数週間前から糸状性細菌の増加傾向を察知できるため、重大なトラブルになる前に対策を打つことが可能です。 -
無駄なコスト(電気代・薬品代)を削減できる
微生物の状態が良いときは、過剰なばっ気は不要です。
微生物の状態に合わせて運転条件を最適化することで、ブロワーの電気代や薬品コストの適正化につながります。
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「見えないリスク」を可視化し、説明責任を果たす
万が一、排水基準を超過してしまった際、その原因が不明確だと行政や近隣への説明が困難になります。
「いつから微生物バランスが崩れたのか」を画像データとして記録しておくことで、原因究明がスムーズになり、社会的責任の観点からもリスク管理体制を強化できます。
推奨される検査頻度
検鏡検査はトラブルが起きてから行うものではなく、傾向を把握するために行うものです。
推奨: 月1回
月1回に検査することが望ましいですが、季節の変わり目毎(年に3回~ 4回)は最低限行うことをおすすめしています。
最低限: 季節の変わり目(3〜4回/年)
多くの工場様では季節や月ごとの生産変動があるため、定期的な検査を行うことで、良い状態と悪い状態の基準ができ、異常時の判断がスピーディーになります。
三井開発では、単に微生物の名前を羅列するのではなく、「現在の排水処理状況がどうなっているか」「現場担当者が次にどのようなアクションを取るべきか」まで、課題解決に向けて具体的にご提案いたします。



